あほな話

あほな話

体調不良

彼女は年齢とともに増えていく慢性的体調不良で苦しんでいる。
今では、頭の先から足の先まで調子が悪いところがある。
すでに幼児期から不調を感じていて、最初は息苦しさだった。
出生時に先天的異常を指摘されていたことを親から聞いた。
それは心臓と脚とあごの関節だった。ただし心臓と脚の関節は、
外見上は正常にしか見えないので意識することはなかった。
ただ、あごの関節は見た目が悪いことを当時の彼女は意識して、
なんと自力で矯正したのだった。次に彼女を襲ったのは、
虫歯だった。彼女の乳歯は虫歯で全滅、その後生えてきた
永久歯の半分は虫歯になったが、途中から治療できたので、
かろうじて抜かずに済んだ。それから、喘息、結核、便秘、
花粉症なども次から次へと襲ってきた。そういう病名が
付けられたものはまだましだ。病気だと誰にも認められない
不調が、頭の先から足の先まであらゆる部分にある。
ある日突然、背中の筋肉がおかしくなって就寝できなくなった。
それで病院に行っても何の異常も見つからず、
自然に回復するまで何日か耐えなければならなかった。
いつの間にか指の関節が腫れて、翌日まで痛かったり、
突然、脚の関節が痛くなって歩けなくなったり、
心臓が止まりそうになったり、
眼の裏側が何日も痛かったり、頭痛が毎日続いたり、
そういう、そのうち治る一時的なものはまだいい。
いつの間にか冷え性になって、足の先から始まって下半身、
上半身、頭まで年々、凍るように冷たくなっていった後、
ある年から今度は年々、頭から上半身が冬でも暑さを
感じるように変わってきた。そして次には、全身の皮膚が
異常に乾燥したり真っ赤になったりした。
それは通院しているものの、病名が付いてなくて対処療法だけ。
目も乾燥するようになって、それも病院にいったが、
「もっとひどい人のほうが多い」と言われたので、
市販薬でなんとかしのいでいる。
それでも健康診断や人間ドックではほとんど異常がない。
最近も脚の冷えとむくみで病院に行ったけど、
どこも悪くない検査結果だった。彼女は自分のことを
病弱だと思っていたけど、今では
「私は些細な不調に耐えられない甘ったれなのだろうか?」
という疑問を抱くようになった。
それでも、彼女は不調に負けないよう、食事や運動、
生活習慣を改善する努力を続けている。

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海岸の階段